アパートなど賃貸住宅を一括で借り上げ、入居者にまた貸しする「サブリース」に初めて法規制がかかる。
物件の所有者と事業者の間で家賃保証をめぐる問題が頻繁に発生したからだ。
サブリースは一般的事業者が入居者の募集から建物の維持・管理、家賃収入まで担う。管理戸数は316万戸(2019年末時点)にのぼり、民間の賃貸住宅の約2割に相当する。
6日に閣議決定した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」では、保証家賃の減額リスクなどの重要事項を説明しなかったり、「絶対に損はしない」など虚偽を伝えたりする行為は禁止になる。
家賃保証の期間や金額、契約解除の条件といった内容は、書面を交付して説明する義務が事業者に課される。
(令和2年3月7日 日本経済新聞より抜粋)
相続手続カウンセラー協会より一言
相続税対策としてよく利用される「一括借り上げ方式」のマンション経営ですが、実は昔から「相続税の対策にはなったけど、気づけば借金だらけになってしまい、結局やらなければよかった…」というオーナーさんの声を耳にすることが少なくありません。
この方法について相談を受けることも多く、そのたびにメリットとデメリットを丁寧にご説明するのですが、それでもマンション業者の魅力的な事業計画に引き込まれ、実行に踏み切ってしまう方もいらっしゃいます。特に、業者の説明では「手間がかからず、安定した収益が得られる」といった点が強調されるため、つい安心してしまうのかもしれません。
もちろん、しっかりした収支計画を立て、長期的に見ても無理のない運営を提案してくれる業者も存在します。しかし、そうではない会社もあるのが現実です。業界ではよく知られていることですが、一部のマンション業者は営業力が非常に強く、オーナーさんが断りきれずに契約してしまうケースが後を絶ちません。「ここまで説明を聞いてしまったし、もう断るのは難しいかも…」と感じてしまう方も多いようです。
最近ようやく、このような問題を防ぐための法的な規制が導入されることになりました。これによって、少しでも被害を受ける地主さんが減り、安心して資産を運用できる環境が整っていくことを願うばかりです。