ご相談に来られた娘さんは、亡くなったお母様とここ数年、疎遠になっていたようです。
お母様は収集癖をお持ちで、自宅内の物が、必要なものかゴミなのかも分からない状態でした。娘さんは自分では片づけきれないと判断して、業者を入れて部屋を一掃されました。その際、一切合切の荷物を処分してしまったために、通帳はもとより銀行印、保険証券等を紛失してしまったらしく、困り果てて相談に来られました。
早速、娘さんの記憶だけを頼りに金融機関で現存確認を行いつつも戸籍を収集していくと、お母様は亡くなる5年前に、住居移転をされていたことが判明しました。最後の住まい周辺の金融機関へ調査を行い、同時に以前の住まいがあった周辺の金融機関もあたった結果、娘さんも知らない口座が発覚しました。
当初800万円位の予想でしたが、最終的には1,400万円の預貯金があると判明しました。
通帳やカードを紛失したことにより手続きができないと思い込んでおられましたが、念書や紛失届等を添付することで手続きができることを知って、安心して下さいました。
また、娘さんは平日お勤めで時間に自由が利かないため、我々が現存確認の調査を行ったことを大変喜んでくださいました。
もちろん、知らない口座が出てきたときも、感謝の言葉を頂きました。
事例では遺品整理が原因でしたが、火事や水害等が原因で遺産の手掛かりが消失するケースもあります。
生活圏内の金融機関を調べて口座が見つかった場合は、取引履歴も取得しましょう。
保険料や固定資産税の自動引き落とし、貸金庫の存在、証券会社とのやり取り、賃料収入、カード会社への債務などたくさんの情報を読み取ることができます。
取引履歴は銀行にもよりますが、10年分遡ることができます。
あと、遺品整理業者の選別もきちんと行いましょう。あまり行儀のよくない業者も多いようです。大事なものも全部捨ててしまうなんて、とんでもない業者です。