相続相談事例集:同居の息子が結婚していたなんて 知らなかった!

今回の相談者は、ご長男Aさん(60代)を亡くされたBさん(80代女性)で、ご主人(後夫で相続人ではない)と共に3人で暮らしておられました。
Aさんは独身でしたので、相続人は直系尊属であるBさん一人です。

手続きの準備のために、ご自身でAさんの除籍謄本を取ってみると、なんと「婚姻日:平成〇年〇月〇日、配偶者氏名:C(国籍:フィリピン)」と記載がありました。

Bさんは息子のAさんとずっと同居していたため、結婚していたことは“寝耳に水”でしたが、15年位前、外国人の女性が数日間同居していたことを思い出されました。それ以後、その女性とは会ったことがありませんでした。

そこで、どうしたらよいのかわからず相談に来られました。

相続人が2人になりましたが、このお嫁さんCが現在どこにいるのかがわからず、手がかりも全くありません。相談者のご主人(後夫)も同席し、共に困った様子でしたが、まず概要を把握することにしました。

財産は不動産・預貯金・生命保険等約1,000万円です。

通常の手続き書類の他に、次のものが必要でした。
・婚姻届(写し) ・配偶者の出生証明書 ・婚姻証明書(フィリピン方式)
・翻訳書(フィリピン共和国の出生証明書と婚姻証明書) ※翻訳者依頼

書類が一式揃った後、連携している司法書士に失踪宣告手続きを依頼しました。

約1年後、司法書士より「裁判所から、失踪宣告完了書類が届いた」との連絡があり、相続登記を行いました。その後、銀行の相続手続きも全て完了し、相談に来られてから1年半後に、不動産権利証(登記識別情報)など相続関係書類一式をBさんに引き渡すことができました。

Bさんは高齢でしかも山村地区にお住まいだったため、相談できる専門家が近くにいませんでした。我々の所に最初に無料相談の電話をされたのは、後夫との間のお子様からでした。この方の協力・尽力のお陰で手続きが完了しました。