相続ニュース:土地の相続登記を義務化~所有者不明 解消狙う~

法務省は2月8日、所有者不明の土地が増えている問題を解消するため、民法と不動産登記法を見直すと発表した。
法制審議会で議論するポイントとしては、
 ①相続登記申請の義務化
   (登記していなければ罰金などを科すことも視野に入れる)
 ②土地所有権の放棄を認める制度を検討
   (税逃れなどのモラルハザードが発生しない仕組みも課題)
 ③遺産分割協議の期間を制限
   (一定期限が過ぎれば、法律に従って自動的に権利が決まるようにする)
 ④債権者などが土地ごとに相続財産管理人を選任可能に
 などが挙げられている。

(平成31年2月8日 日本経済新聞より抜粋)

相続手続カウンセラー協会より一言

ようやく、所有者不明の土地や空き家問題に対する具体的な解決策が現実のものとなりつつあります。ここに至るまでには、本当に長い時間がかかりました。ようやく、遺産分割協議に期限を設けるという施策が実現したのは、私たち相続の仕事をしている者にとっては非常に大きな前進です。

これまで、「配偶者が亡くなるまで、土地の相続登記は急がなくても大丈夫ですよ」と無責任なアドバイスをする専門家が少なからずいました。その結果、所有者が不明になり、相続人すら特定できない土地が増え続けるという問題が深刻化してしまいました。

やはり、相続登記はすべき時にきちんとしておかなければなりません。さもなければ、後々良いことが一つもないのです。所有権放棄が税逃れになるのではといった細かい懸念を気にしていると、改革が中途半端で終わってしまう危険があります。今、日本の国土の5分の1が使い道のない土地になってしまっているという現実があるのですから、ここは思い切った改革が必要です。細部にこだわりすぎず、真に有効な対策を講じることが、未来のために求められているのではないでしょうか。