相続ニュース:休眠口座に課金 地方先行信金、維持費用が重荷

信用金庫など地方金融機関の間で、入出金が一定期間止まった休眠口座に手数料を課す動きが広がっている。

口座の管理コストの重さが要因だ。預金口座を管理するためのシステム費用や資金洗浄対策(マネーロンダリング)、人件費などで、金融機関は預金口座を維持しておくだけで費用がかかる。また、会員組織である信金は融資対象や営業エリアが制限される。人口減やネットバンキングの浸透などで新規預金の獲得は今後も伸び悩むとみられ、手数料徴収をきっかけに顧客との接点をつくり、収益機会を掘り起こす狙いもある。

長引く低金利や人口減少などで都市部よりも経営環境が厳しい地方が先行して改革に踏み出した。

一方、日本の3メガバンクは休眠口座を含め、顧客の反発を招きかねない口座維持手数料の徴収にはなお慎重な姿勢だが、大手に波及するのはそれほど遠くない将来かもしれない。

(令和元年11月28日 日本経済新聞より抜粋)

相続手続カウンセラー協会より一言

いよいよ、「口座があるだけで課金される時代」が本格的にやってきそうですね。これまで、銀行の主な役割は、私たち一般の人々から預金を集め、そのお金を企業などに貸し出して利息を得ることでした。しかし、最近では、その収益モデルも変わりつつあり、手数料を稼ぐことが銀行の主要なビジネスになってきているようです。

銀行の収益構造が大きく変わる中で、口座を維持するためのコストが銀行にとって重荷になってきていることが背景にあるのでしょうね。かつて、ゆうちょ銀行の民営化の際には、郵便局の通帳を1人1冊に制限するという措置が取られましたが、将来的には「1人1銀行につき1冊の通帳」というルールが当たり前になるかもしれません。そして、預金額が10万円以下の口座には、口座維持費が請求されるといった状況になる可能性も高まってきています。

また、少額の預金口座を整理しておくことは、将来的な相続手続きの際にも役立つでしょう。残された家族の負担を少しでも軽くするためにも、今のうちに不要な口座を解約しておくことをおすすめしたいですね。