相続ニュース:デジタル終活「もしも」に備え~支払い漏れや損失防ぐ~

亡くなった人のスマートフォンやパソコンが原因で、未納金の支払いやコンテンツ削除など、遺族がトラブルを抱えるケースが増えている。

トラブルになるのが金銭にまつわること。電子新聞やネットマンガの定期購読、ネットショッピングの定期便サービス利用は契約を自動更新するシステムが多い。故人が契約した有料の定額サービスを知らず、継続的に費用を請求されるケースも。
 
最近ではネット銀行を利用する人も増えている。その口座を使い、家族に隠れて外国為替証拠金(FX)取引や仮想通貨取引をしている場合がある。埋もれた金融資産や負債を知らずにいると、後々、相続トラブルに発展する可能性も否定できない。
パスワード解除を専門業者に頼むと、スマホの復旧にかかる費用は平均23万円。
パソコンは5万円前後と多額だ。
 
「デジタルエンディングノート」を作り、「スマホやパソコンのID・パスワード」「有料アプリとサービス名」「ネット銀行・ネット証券の口座」などを書き残すことが有効。

(平成31年2月2日 日本経済新聞より抜粋)

相続手続カウンセラー協会より一言

手続きを円滑に進めるための最大のポイントは、クレジットカードの解約です。

カードを解約すると、自動更新のサービスがほぼすべて止まります。連絡が取れず、料金の支払いができないと、そのサービスは停止されるので、余分な支払いを防ぐことができます。

また、デジタルエンディングノートまではいかなくても、IDやパスワードはノートに書いて残しておくべきです。情報セキュリティーの専門家も、万が一の際に家族が困らないようにと推奨しています。

特に注意が必要なのはFX取引です。証拠金が突然必要になることがありますので、事前に取引を停止するタイミングを考えておく必要があります。