逸失利益「定期払い」容認 ~交通事故で最高裁 初判断~

交通事故に遭わなければ将来得られたはずの「逸失利益」の賠償方法が争われた訴訟の上告審判決が9日、最高裁であり、一般的な一括払いだけでなく、月1回など定期的な支払いも認められるとの判断を示した。

定期払い期間中に被害者が亡くなった場合でも賠償義務は続くとの初判断も提示した。

定期払いでは利息分が控除されないため、一括方式と比べて賠償額は増える。
障害の進行状況や賃金水準の変化に応じ、柔軟に条件を変更できるようにもなる。

一方で、加害者の失踪などで賠償が滞るリスクがある。

また、被害者にとって一生涯保険会社との間で紛争が続く負担があるなどのデメリットもあるので、一括か分割かの選択には慎重な判断が必要だ。

(令和2年7月10日 日本経済新聞より抜粋)

相続手続カウンセラー協会より一言

交通事故による賠償金の支払い方法について、これまでよりも選択肢が広がりました。そのため、相続手続きを進める際にも、もし交通事故で亡くなられた場合は、賠償金の支払い方法についてしっかり確認する必要があります。

支払い方法には、大きく分けて「一括払い」と「分割払い」の2種類があります。一括で支払われる場合は、まとまった金額が相続財産に含まれますが、分割払いの場合は、相続人にもそのまま継続して支払われる形になります。

今回の改正によって、この分割払い分も正式に「相続財産」とみなされることが決まりました。つまり、亡くなった方が受け取るはずだった賠償金が、相続人に毎月や毎年支払われる形で引き継がれるということですね。

こうした点を見落とさないようにするためにも、相続の初回ヒアリングの際には、賠償金の支払い方法について確認することがとても大切になってきます。「一括なのか?分割なのか?」によって、相続の進め方や手続きの内容も変わってくるため、注意が必要ですね。