96歳になるお父さんが亡くなり、相続人は72歳の息子Aさんをはじめ、ご兄弟4名でした。特に争いもなく、ほぼ法定相続分どおり均等に分けることになっていましたが、皆さん一つ一つの手続きがゆっくりで、通常の倍ぐらいの時間がかかっていました。
ところが、遺産分割協議書に署名・押印の段階になって、弟Bさんとどうしても連絡がつかなくなりました。
数日後Bさんが、自宅で亡くなっていたことが判明しました。
Bさんの配偶者と、既に独立している3人のお子さん達が急に相続人となり、同時に2件の相続を進めることになりました。
相続人が高齢化してくると、相続手続きが完了していない段階で、別の相続が発生する可能性がゼロではありません。そうなると、相続がより複雑になってしまいますので、相続手続きはなるべく迅速に行うことが大切です。
Check!
【数次相続と相次相続の違い】
<数次相続とは>
被相続人が亡くなって(一次相続)、遺産分割協議や移転登記、名義変更等が済まないうちに、相続人が亡くなり、次の相続(二次相続)が開始すること。相続をせずに放置していると、三次相続、四次相続が発生してしまう。
数次相続の場合には、それぞれの相続で遺産分割を行い、遺産分割協議書を作成する必要がある。
※同時相続・・・夫婦、あるいは親子などが同時に事故で亡くなった場合、「同時に死亡した人の間で相続は生じない」という考え方なので、数次相続に相当しない。
<相次相続とは>
相続税制上の観点で、一次相続が発生して相続税を納めた後10年以内に、二次相続が発生した場合において、要件を満たせば「相次相続控除」を受けることができるというもの。