①相続登記申請を簡単にした上で義務化⇒一定期間に登記しなければ罰則を科す
(被相続人の死亡を証明する書類があり、自分が相続人の一人だと証明できれば相続人全員がそろわなくても簡易的に登記できるようにする)
②遺産分割の協議は相続開始から「10年」⇒10年経過後は法定相続分が確定する
③土地所有権の放棄が可能に⇒放棄地は一旦、国に帰属させ、自治体が希望すれば取得できる仕組みを検討 (法制審の原案では「所有を巡って争いが起こっておらず、管理も容易にできる」のを条件に、所有権の放棄を可能にすると明記。法人による放棄は引き続き認めない)
(令和元年11月26日 日本経済新聞より抜粋)
相続手続カウンセラー協会より一言
相続登記の義務化と所有権放棄の制度が、いよいよ本格的にスタートしそうですね。私はこの両方の制度に大賛成です。日本の土地の問題を少しでも解決するためには、こういった法改正が必要不可欠だと思います。
さらに、もし「一定期間内に登記しなければその土地を没収します」といった厳しいルールを設ければ、きっとほとんどの人が動き出すはずです。期限が切迫していないと、どうしても先延ばしにしてしまうのが人間の性ですからね。これを機に、相続に関するルールももっと厳しくしてもいいかもしれません。例えば、遺産分割協議も「10ヶ月以内に行わなければ、仮に10年分の固定資産税を納付しなければならない」といった仕組みにすれば、相続税の申告と同じように期限を意識した行動が促されるのではないでしょうか。
やっぱり人間って、「やばい、このままじゃまずい!」と思わないとなかなか行動しないものですよね。だからこそ、少しでもプレッシャーを感じさせる仕組みが必要だと思います。
日本の国土はただでさえ狭く、限られた資源ですから、これを有効活用しないままだと国全体がどんどん衰退してしまいます。土地を放置するのは大きな損失であり、そうした土地を再活用できるようにすることは、国の成長にもつながります。
最近は法制審議会の動きがかなり活発になっていますが、いつか私も審議会に呼んでもらって、現場で感じている実際の問題点を率直に伝えられたらと思っています。そして、さまざまな提案をして、日本全体の土地問題解決に少しでも貢献できたら嬉しいですね。